「課題の分離」をうまく使いこなして、ストレスをコントロールしよう!!
「課題の分離」とは
「自分の課題」と「他人の課題」がごちゃまぜになっているから人間関係で悩むことになるので、自分でコントロールできるかどうかを考えて、考えても仕方ないことに一喜一変しないようにしましょうというのがアドラー心理学の「課題の分離」です。
これをひと言でまとめると、
選択肢があることで悩め!
です!!
話を整理していくと
「それって選択肢ないよね?」
と、ひとつしか道がないことってあるよね??
選択肢があることに注力して、余計なことを考えず、人間関係のストレスを減らしましょう。
「課題の分離」をするときのコツ
「課題の分離」をするときのコツは3ステップです。
1. 課題を言語化する
まずはあなたの抱えている課題や悩みを書き出してみてください。
明日の取引先へのプレゼンがうまくいくか不安
うまく伝えることができるかな……
取引先の担当者の機嫌が悪かったらどうしよう……
取引先から悪い反応が返ってきたらどうしよう……
など、課題や悩み、不安を言語化してみましょう。
言語化することで、課題を明確にして「あなたにできること」が分かりやすくなります。
2. 課題解決のためにあなたに選択肢があるか考える
言語化した課題や悩みに対して、あなたにどのような選択肢があるか考えてみてください。
「うまく伝えることができるかな……」に対してできる選択肢は、
A:何もしないでそのまま明日を迎える。
B:取引先目線、取引先の担当者目線でプレゼン資料を見直す。
C:何度も繰り返し練習して、資料ではなく相手を見て話せるようにする。
など、あなたができる選択肢があるので、「うまく伝えることができるか」は「あなたの課題」です。
「取引先の担当者の機嫌が悪かったらどうしよう」に対してできる選択肢はありますか?
選択肢はなく、
D:相手の機はコントロールできないので何もしない。
となります。これは「他人の課題」です。
では、「取引先から悪い反応が返ってきたらどうしよう」に対してできる選択肢はどのようなものがあるでしょうか?
E:反応はコントロールできないので何もしない。
という選択肢しかないでしょうか?
この課題は「他人の課題」と捉えて、考えないようにすることが正解に見えますが…
F:悪い反応を想定して、返答用の資料を用意する。
という選択肢もあります。考え方次第では「あなたの課題」となります。
3. 選択肢がない場合は考えることをやめる
Dのように選択肢がない場合は考えても無駄なので、頭から消し去りましょう。
逆にA、B、Fのようの「あなたの課題」を見つけ出せる場合は、選択肢を考えてその中で一番いい選択をすることに時間を使いましょう。
あなたに選択肢がないなら、それは「他人の課題」だよ!
「課題の分離」によるメリット
仕事に集中できる
「課題の分離」ができるようになると、あなたの課題が明確になるため、無駄なことを考える時間が減ります。
結果、あなたが本来やるべき仕事、考えるべきことに集中することができます。
人は1日に6万回思考すると言われているよ!
無駄なことを考える回数を減らして、今考えるべきことに脳みそを全振りしよう!!
人間関係のストレスが減る
大前提として、あなたの心の中を知ることは誰にもできません。相手の心を読むこともできません。
しかし、心を読もうとすることで過度に不安を感じたり、イライラしてしまったりします。
心が読まれていると感じる原因は、相手が予測するための言動をあなたがしているからです。
「課題の分離」によって、他人のことを考えすぎずに済むため、言動に心が出ることを防ぐことが可能です。
結果、深入りしすぎない、良い距離感で他人と接することができるようになるよ!
職場における「課題の分離」の成功事例
ケース1:他部署への依頼
営業のAさんは設計のBさんになるべく早くやってほしい案件がある。
Bさんへ「なるべく早くお願いします」と伝えても、それ以降は「Bさんの課題」だと思ったAさんは、Bさんが仕事に取り掛かるための確認事項を事前に把握して確認し、なぜ急ぎの仕事なのか理由を一緒に伝えました。
更に、顧客の事情とそのためのリミットを伝えた結果、BさんはAさんの期待以上のスピードで仕事をこなしてくれました。
仕事を頼んだ後にどのくらいのスピードで行うかは「Bさんの課題」だよ!
課題を分離して、Aさんにできることを考えてBさんへ伝えることで、期待以上の結果を得ることができました。
ケース2:評価への不満
Aさんは上司のBさんからなかなか評価されず不満があった。
Aさんの自己評価とBさんの評価に飛難がありました。Bさんからの評価に不満を持っていても、評価をどうするかは「Bさんの課題」であることに気づき、Bさんが何を評価するかを本人に確認して、それに対して数値目標を設定しました。
上司と共有している数値目標に対して結果を確認するようになり、自己評価とBさんの評価に乖離を減らすことができました。
何を評価するか、どのくらいやれば評価されるかを共有することが「Aさんの課題」であることに気づくことが重要!!
結果、Aさんは評価されないと不満を言うだけではなく、自分がやるべきことに集中することができました。
職場における「課題の分離」の失敗事例
ケース3:部下に成長してほしい
部下のやり方をもっと効率的にしたい。
Aさんは部下のBさんにもっと効率的に仕事をしてもらい、他にも色々な仕事に挑戦してほしいと思っています。
そのためにAさんは自分の経験から最も効率的なやり方をBさんへ伝えますが、Bさんはそのやり方をマスターできず、仕事が思うように片付きません。
「このままでは他の仕事に挑戦できず、成長できない」とBさんへ伝えると、Bさんの仕事の処理能力は更に下がってしまいました。
Bさんにとっての効率的な仕事のやり方を見つけることも、Bさんが成長したいと思うかどうかも「Bさんの課題」だよ!!
上司である「Aさんの課題」は、Bさんが成長できる環境づくりです。
Bさんが色々なやり方を試せる環境、もっと他の仕事に挑戦して成長したいと感じる環境をつくることを考えられなかったでしょうか。
ケース4:頼られたい
同僚からもっと頼ってもらいたい。
Aさんは、自分が役に立てるはずだと思い、「もっと私に相談してほしい」と同僚のBさんに伝えました。
しかし、BさんはAさんではなく、別部署のCさんに相談して仕事を進めています。
それに対してAさんはイライラしてしまい、Bさんへの態度にも出して関係が悪くなってしまいました。
「もっと相談してほしい」と伝えるかどうかは「Aさんの課題」だよ……。
しかし、その後Bさんがどうするかは「Bさんの課題」であって、Aさんがイライラすることは課題の分離ができていません。
まとめ
アドラー心理学の「課題の分離」はひと言で、
選択肢があることで悩め!
でした。
そのためのコツ、3ステップは…
「課題の分離」を活用して、仕事のストレスを減らしていこう!!