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ダブルチェックは意味がない?「リンゲルマン効果」に注意!

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ミスの改善策か……。

とりあえずダブルチェックにしておけば大丈夫かな?

2人で確認すればミスも減るから!

papazo

「人」×「人」のダブルチェックほど危ない改善策はないよ……。

ダブルチェックの落とし穴、リンゲルマン効果って知ってる?

ミスを防ぐためのダブルチェックは、様々な場面で使われています。しかし、ダブルチェックには欠点もあるため、それを理解した上で採用する必要があります。

この記事ではダブルチェックの有効性とリスクの両面から解説します。

ダブルチェックとは

ダブルチェックとは

ダブルチェックは、2回または2人で確認することでミスを防ぐ効果があります。

時間を置いたり1回目と違うところから確認したりする1人で2回チェックする方法や、2人でチェックする方法などがあります。

ダブルチェックは意味がない?

ミスが起きた後の改善策としてよく使われるダブルチェックですが、当然リスクが存在します。そのリスクを知っている場合、「意味がない」という結論になることがあります。

ダブルチェックは周知しやすく便利な改善策です。しかし、使い方を間違えると改善策として全く機能しないこともあるので、注意点を把握して有効な改善策として活用しましょう!

papazo

ダブルチェックにリスクがあるなら注意して使わないと!

ダブルチェックの落とし穴『リンゲルマン効果』

ダブルチェックの落とし穴リンゲルマン効果

ここでは、ダブルチェックの有効性とダブルチェック最大のリスクである『リンゲルマン効果』について解説します。リンゲルマン効果を理解していると、ミスの対策をより高度に設定することができます。

ダブルチェックの有効性

医療の現場ではミスが命に直結することが多いため、ミスに対する改善策がとても重要になります。

医療現場での改善策の50%以上に「ダブルチェック」という言葉が入っています。

医療現場でも使われているため、「意味がない」とは言えないでしょう。

意味はあるけど注意が必要

ただ、注意点に気をつける必要があることを理解しましょう。

「人」×「人」の2人で行うダブルチェックは要注意です!

リンゲルマン効果とは

「リンゲルマン効果」という言葉を知っていますか?

『リンゲルマン効果』

集団として協働作業を行う際、集団人数が増えると1人あたりの課題遂行量は減少する。

リンゲルマンの綱引き実験

1人あたりの綱を引く力は、

1人のときは100%、2人のときは93%、3人のときは85%、8人のときは49%と、人数が増えるごとに「1人あたりの綱を引く力」は減っていきます。

このように、人は「自分以外の誰かが一緒にやってくれる」と思うと貢献度が下がってしまうのです。

ダブルチェックはリンゲルマン効果が発生する

ダブルチェックも同じで、自分がミスをしてももう1人が確認してくれるから大丈夫だと思ってしまい、ミスを防ぐ効果に繋がらない場合があります。

papazo

自分以外に誰かいるという安心感がミスの元だよ!

「人」×「人」のダブルチェックは注意!

ミスを防ぐために「人」×「人」のダブルチェックを改善策とする場合は要注意です。

「人」×「人」のダブルチェックの場合は、

・責任の所在をはっきりさせておく

・役割分担を決めておく

・一定期間で「人」を変える

など一人一人が自分ごととして確認できる仕組み作りが重要となります。

特に有効なのは、「一定期間で「人」を変える」ことです次に解説する通り、人には「慣れ」があります。ベテランだからといってミスをしないかと言うとそうとも限りません。

ミスの原因は「慣れ」

人には「慣れ」があります。「慣れ」の例を紹介します。

papazo

新型コロナウイルスで、ほぼ全人類がこの「慣れ」を多かれ少なかれ経験したんじゃない??

2020年4月7日に緊急事態宣言が発令された日の東京都の新型コロナ陽性者の人数は80人でした。

2年後の2022年4月7日の東京都の新型コロナ陽性者の人数は8,753人です。

その間、毎日ニュース速報でその日の陽性者数が流れますが、ここで「慣れ」の怖さが出てきます。

「またコロナの人数でしょ」とニュース速報を軽視する人が増えると、地震など全く違うニュース速報を見逃してしまう恐れがあるのです。

たしかに最後の方はニュース速報の音に慣れちゃってたかも…!

「慣れ」はとても危険で、誰にでも訪れます。

「人」を変えるという慣れ対策

ダブルチェックも最初は機能していたけど、慣れてきてミスが起こる……。

そんなことが起きないように「一定期間で「人」を変える」方法が有効です。

3ヶ月同じものを確認している人と、始めてまだ1週間の人、どちらが集中しているかは容易に想像できますよね?集中力や緊張感を維持できるようにすることで、ダブルチェックの有効性を高めましょう。

papazo

ダブルチェックの効果と注意点をしっかり理解して、有効な改善策として使えるようにしよう!!

おすすめのダブルチェック①「人」×「システム」

おすすめのダブルチェック①「人」×「システム」

ダブルチェックを「人」と「人以外」にすることはとても効果があります。

ここでは、「人」×「システム」の事例を紹介します。(システムと聞くと導入が大変そうに聞こえるかもしれませんが、Excelの数式など簡易的なシステムでも十分に効果が見込めます。

自動化をダブルチェックに取り入れる

ダブルチェックで有効なのは、「人」×「システム」です。

システムとは機械的に自動でチェックできることを指します。

papazo

リソースをさけない場合は、「人」×「システム」のダブルチェックが有効だよ!

チェックの自動化例

自動車事故の約4割が「追突」です。

車の運転をするときに、前の車に追突しないように注意していますよね?

それでも見落としたりよそ見をしたりしてしまうので、追突事故が4割も占めるのです。

このミスを防ぐために「人」×「システム」のダブルチェックが使われています。

自動ブレーキでチェック漏れを防ぐ

車の運転でいう「人」×「システム」のダブルチェックは、「運転手」×「自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)」です。

運転手が自身の目で確認しながら運転し、万が一見落として追突しそうになっても、自動ブレーキシステムで車の判断でブレーキをかけることで追突を防ぐことができます。

Excelだけに頼らない

仕事においてよく使われるのはExcelの関数を使ったダブルチェックではないでしょうか。この場合もExcelだけの確認で済ませてしまうとミスが起きてしまいます。

Excelに疎い上司が勝手に数式をいじってしまった……。

それに気づかずにミスったよ〜!

という経験がある人も多いのではないでしょうか。

「システム」を導入すると、「人」の部分がおろそかになってしまうことがありますが、「人」が主体であるチェック機能の場合はそれを忘れないように工夫する必要があります。

Excelによる「システム」の確認と、自分で電卓で計算する「人」の確認、「システム」×「人」のダブルチェックでミスを防ぐことができるのです。

おすすめのダブルチェック②ミスの影響が違う人でチェック

おすすめのダブルチェック②ミスの影響が違う人でチェック

現場状況的に「人」×「人」で対策するしかない場合もあると思います。

ここでは、「ミスの影響が違う人」同士でダブルチェックすることで、チェック機能が維持できる仕組みを紹介します。

リンゲルマン効果を発動させない

「人」×「人」のダブルチェックの場合、ミスの影響が違う人を配置することでリンゲルマン効果を発動させないようにすることが可能です。

ミスの影響が違う人の例

倉庫の出荷作業で、誤出荷がないように「指示する人」×「作業する人」でダブルチェックをします。

指示する人

誤出荷したらお客様のところへ謝罪に行かなければならない…それはきついよー!

作業する人

誤出荷したら帰るのがめちゃくちゃ遅くなる…そんなの嫌!!

作業する人のミスの影響が「上司が謝罪に行く」では、ミスの影響が同じでリンゲルマン効果の餌食です。

目的は同じでも影響は違うと効果的

「誤出荷しない」という目的は同じですが、誤出荷(ミス)したときの影響が違う人のチェックなので、それぞれ力を抜くことがなくなります。

papazo

影響が違う人がいなければ、影響を変えればいいんだね!

まとめ

ミスが起きた後の改善策としてもよく使われるダブルチェック、その落とし穴として『リンゲルマン効果』があります。ダブルチェックはとても有効な対策案ですが、『リンゲルマン効果』というリスクを理解していないと、チェック機能はすぐに破綻してしまいます。

ダブルチェックとは、自分がミスをしてももう1人が確認してくれるから大丈夫だと思ってしまい、ミスを防ぐ効果に繋がらないというものです。

papazo

あなた以外のだれかも確認してくれると思うと、確認する気持ちが薄れてしまう経験ってあるよね…!

ダブルチェックで有効方法として、①「人」×「システム」と②「ミスの影響が違う人」を紹介しました。どちらもダブルチェックの落とし穴を防ぐような考え方なので、ダブルチェックを対策案として検討するときは同時に検討するようにしましょう。

ほかにも仕事の効果的な進め方を学びたい人には、『シン・サラリーマン』がおすすめです。辞書みたいに分厚い本ですが、もっと仕事を頑張りたいと考えている人はぜひ読んでみてください!