・事務職が目標の数値化に苦労する理由
・目標を数値化するための手順
・事務職の目標設定例
という内容になっています。
目標を数値で表せって会社は言うけど、私たち事務職には難しいよ……。
最近は定性目標から定量目標へ切り替わってきている会社が多いから、事務職の人は大変だよね。
目標設定のポイントは、【ワード】と【単位】だよ!
【ワード】と【単位】……?
目標設定って難しいですよね…。特に事務職だと「がんばる」とか「徹底する」とか、抽象的になってしまいがちです。でも、会社からは数値で目標設定するように言われませんか?
この記事では、目標設定を数値化するコツと、事務職(営業事務、社内SE、資材調達、総務)の目標設定の具体例を紹介します。もし、事務職で目標の数値化に悩んでいれば参考にしてみてください。
みんなが目標設定に対してどう思ってる?
目標設定に悩んでいる人はあなただけではありません。目標設定は向き不向きではなく、コツがわかればできるようになることを覚えておいてください。
みんな「自信がない」「課題を感じている」
パーソナルキャリア株式会社が令和元年にビジネスパーソン1,200人に実施した「目標に関する調査」では、
・一般社員の約7割が「目標設定に課題を感じている」
・個人目標を立てることに対し、約6割が「自信がない」
と回答しています。半数以上が「自信がない」と感じており、みんな不安に思いながら目標設定していることがわかります。
総務や営業事務の人は数値目標が難しい
特に、経理、総務、人事、営業事務、情報システムなど事務職の人は目標設定自体難しいのに、目標の数値化を求められることが増えてきています。難易度が上がっているのに、上司は数値化のコツを教えてくれません。
営業の人たちと違って、自分の仕事はなかなか数値化できないよ……と悩んでいる人も多いはずです。(営業は営業で、無茶な目標設定を半強制的にさせられて悩んでいることはまた別のお話ですが…)
この記事では、事務職の人が目標を数値化できるようになるための【ワード】と【単位】を使った目標設定を解説するよ!
事務職の人が目標の数値化で悩む理由
ここでは、事務職の人が目標の数値化に悩む理由を考えていきます。
当てはまる項目が多ければ多いほど、数値化が難しくなると思いますので、そのあとに解説するコツをしっかりと理解するようにしましょう。
ルーティンワークが多い
ルーティンワークが多いと目標設定の数値化は難しいです。事務職の目標設定が難しい最大の理由はここにあります。
日常的に同じ作業を繰り返すことや定型的な仕事が多いため、「やって当たり前」と思われていそうで、目標にするには腰が引けてしまうことがあります……。
売上・利益に直結しない
バックオフィス業務と言われるくらい、最前線の業務ではない点も目標の数値化を難しくしている理由です。
営業やサービス、開発のようにやっている仕事が直接的に売上や利益にならないため、目標を数値化できそうにない場合があります……。間接的に売上に貢献していても、それを大々的に自分の手柄のようにアピールできないですよね……。
ミスが許されない
事務職は細かい業務や確認作業が多く、ミスがより許されない点も目標の数値化を難しくしています。
従業員の給与に関わる労務部門や、支払いなどで法律も関わってくる経理部門など、1円、1日のミスも許さない仕事の場合、ミス0回という厳しい目標になってしまいます……。
計上日を1日間違えただけで大変な問題になったことある……。
ここで挙げた以外にも事務職の方々は目標の数値化に対して悩みを抱えているよね……!
次に紹介する定性目標と定量目標の違いを理解した上で、どのように数値化していけばいいか、目標の数値化のコツ解説していくよ!!
定性目標と定量目標の違い
目標の数値化するコツを解説する前に、定性目標と定量目標を解説します。
数値化は定量目標にあたります。ごちゃ混ぜにならないように、違いをしっかりと理解するようにしましょう。
定性目標とは
定性目標は質的に表された目標で、「頑張る」や「積極的に」など抽象的な表現になります。
目標設定しやすいというメリットはありますが、評価する側の私情が入りやすく、自己評価と実際の評価の差異が出やすいというデメリットがあります。
ひと昔前は、目に見える頑張りが評価対象の上位にあるパターンが多かったので、残業している人や休日出勤している人、声が大きな人が評価されていました。
定量目標とは
定量目標は数値化された目標で、「○円受注する」や「○件商談する」など具体的な表現になります。
評価する基準が明確になるため、自己評価と実際の評価の差異が出にくいというメリットがありますが、結果主義になりやすくプロセスが評価されにくいというデメリットがあります。
頑張りが見えにくい在宅ワークが増えたことによって、定量目標の重要性も一気に増していった印象です。
事務職の目標も定性目標から定量目標へ
最近では、リモートワークや週休3日制へ働き方の移行が進むにつれて、定性目標から定量目標へシフトしている会社が多くなってきています。
「がんばり」よりも「数字で見える結果」が求められる時代になりつつあるよね!
一生懸命働いているけどなかなか成果が出ない人よりも、サボっているのに結果は出している人が評価される時代と言えるかもしれません。
目標を数値化するコツ
目標の数値化が重要になってきていることがわかっていただけたかと思いますので、ここからは目標を数値化するコツを手順に沿って解説します。
仕事の中の【ワード】の洗い出す
自分の仕事の中で数字が出てくる【ワード】を洗い出してみましょう。このワードが目標設定の主語になります。もし、あなたが重点的にやってほしいと会社や上司から命じられている仕事があれば、その仕事に関するワードは必ず入れてください。
【ワード】が最終的に目標に関係あるなしに関わらずたくさん出してみましょう。いくつか目標を完成させて、その中から選べることが望ましいです。
これは一部なので、仕事内容や勤めている会社によって、もっと色々な【ワード】が出てくると思います。
意識してみると、数字が出てくる【ワード】って結構あるね!
【単位】を組み合わせる
洗い出した【ワード】に【単位】を組み合わせることで、数値化できる目標になり得る仕事リストを作成しましょう。ここでは、同じワードにさまざまな単位を組み合わせてみて、より多くの言葉を作ってください。
洗い出した【ワード】に例のような【単位】を組み合わせることで、自分の仕事の中で数値化できて比べることのできる仕事が分かってきます。
ここまでくると、かなりの数の言葉(ワード×単位)が完成したのではないでしょうか。目標にならなそうでも、とにかく多く出すことを意識してください。
「やるべき行動」が説明できるか考える
【ワード】×【単位】で作った仕事リストの中で目標を決めていきます。すでに目標の主語ができているので、それをどのくらい(数値)やるか決めたら目標になります。
そのとき考えることは、「目標に対してどんな行動をするか説明できる」ことです。
「クレーム処理件数を10%増やす」という目標にした場合に、そのためにどんな行動をするか説明できないといけません。
あなたが決めた目標に対して、上司から「どうやったら達成できそう?」と聞かれることを想像しよう!
「進捗報告のしやすさ」を想像する
目標に向けて行動したことが報告しやすいかどうか想像してみましょう。
報告しやすい=やるべき行動が把握できているということになります。「クレーム処理件数を10%増やす」という目標に対して、「がむしゃらに頑張ります!」だと、定性目標になってしまいます。「1件あたりにかける時間を5分減らしたいので、最初に相手の言葉を要約するようにします!」だと、行動が数値化、言語化できていて上司に報告しやすくなります。
目標は経過報告も難しいもんね……。
事務職の数値化した目標設定例
ここでは、職種に合わせて具体的な目標の数値化例を紹介します。
このまま使えることは稀だと思いますが、ヒントにはなるのであなたと別の職種でも読んでみてください。
情報システム目標例『自己解決率』
【ワード】自己解決 ×【単位】率
情報システム関連の部署にいる人で、専門知識を問われる質問を日々受けていて、分からないときに先輩や上司に聞いているという場合、自己解決率を目標にするといいでしょう。
社内の人に聞かずに解決できた件数を増やすことで、先輩や上司の時間を取らずに済みますし、自分自身が知識を付けていることも分かる目標となります。
どんな行動をすると解決率が上がる?
では、どんな行動をしたら自己解決率が増えていくでしょうか?
例えば、社外の問合せ先をリスト化したり、必要な資格の勉強をすることで知識を付けたり、マニュアルを作成して似たような質問に対応したり……などなど色々考えられます。
総務目標例『有給消化日数』
【ワード】有給消化 ×【単位】日数
総務部の人は法律を守る点からも、従業員の有給消化日数はとても重要視しているのではないでしょうか。
その場合は、全従業員の有給消化日数を増やすことを目標にするといいでしょう。
自分の行動によって従業員の有給消化日数が増えれば、従業員の満足度も上がり、総務としての悩みも減っていくはずです。
どんな行動をすると消化日数が増える?
では、どんな行動をしたら従業員の有給消化日数が増えていくでしょうか?
例えば、部署の1/3が必ず休まなければいけない日を作ったり、時間単位の休みが取れる制度を作ったり、有給消化率の低い部署長と人員の相談をしたり……などなど色々考えられます。
営業事務目標例①『見積作成件数』
【ワード】見積作成 ×【単位】件数
営業事務の人は、営業が外回りしているときに営業の代わりに対応することが多く、会社の顔である営業の代理を務める重要な仕事です。
営業の代わりにやっている仕事を目標にすると、どれだけ営業の助けになっているか数値で分かるでしょう。
どんな行動をすると見積作成件数が増える?
見積作成できる商材を増やしたり、営業担当ごとの顧客リストを作成したり、見積作成依頼件数の多い顧客をリストアップしたりと、やれる仕事はたくさんあります。
目標を「見積作成件数」にして、それを達成するための行動目標として、顧客リスト作成などを設定するといいでしょう。
営業事務目標例②『「効率化された」率』
【ワード】効率化 ×【単位】率
営業事務をしていると、営業の人が提出する資料の土台を作るなど営業の人たちの作業時間を左右する仕事もあると思います。
例えばExcelの書式を変えたり数式を入れたりすることで営業の人たちが「効率化された」と思った%を目標にしてもいいでしょう。
集計には「Microsoft Forms」を使う
マイクロソフトのFormsを使えば簡単にアンケートを取ることができるので、目標に対してどんなことを効率化して何%の人が「効率化された」と答えたか知ることができます。
自由記載欄も作って意見を書いてもらえば、より効率化を目指すことも可能だよ!
資材調達目標例『仕入金額交渉件数』
【ワード】仕入金額交渉 ×【単位】件数
発注関係の事務をしている人は、仕入金額の交渉をした金額だけではなく、件数も重要な数字となります。
1件の交渉で大きな金額を下げてももちろん素晴らしいですが、どんな受注があるかは営業次第なので、そこに左右されない件数で評価してもらうことも必要になります。
まとめ
事務職の人は目標の数値化がとても難しく、同じように悩んでる人はたくさんいます。
この記事では、なぜ事務職の目標に数値化が求められてきているか紹介し、目標を数値化するコツと手順を解説しました。
自分の仕事を【ワード】×【単位】で表せないか考えてリスト化することで、数値化できる目標を見つけましょう。
その目標はどんな行動をすることで達成できるか説明することができれば、立派な数値目標となるでしょう。
まずは【ワード】の洗い出しからやってみる!!
事務職の目標設定に関するよくある質問
事務職の目標設定は難しい?
「頑張る」「一生懸命」など、定性目標であれば難しくないですが、数値化しようとすると難しくなります。
事務職の目標設定で数値化は無理?
数値化できます。【ワード】×【単位】で考えましょう。
数値化のメリットは?
ものさしができるため、自己評価と他者からの評価の差をなくすことが可能です。
数値化のデメリットは?
結果にフォーカスしてしまいがちで、過程を見なくなってしまいます。