年収アップを目的に転職を考える人は多いですが、実際に転職活動していると、「上がりすぎて怖くなった…」という声をよく耳にします。
年収が高い理由が理解できると、その恐怖もなくなるので、この記事では転職による年収アップについて解説したいと思います。
転職する上で「目標年収」と「最低年収」は決めておこう!!
転職で年収アップした人の割合は?
34.6%の人が年収アップ
厚生労働省が実施した「令和3年雇用動向調査」では、令和3年の転職入職者全体のうち、前職と比較して賃金が増加した人の割合は34.6%となっています。
増加した:34.6%
変わらない:29.0%
減少した:35.2%
増加した人のうち、23.7%は「1割以上増加した」となっています。
8.2%の人が1割以上年収アップ
転職者の34.6%の人が年収が増加し、そのうち23.7%の人が「1割以上増加した」となっているため、転職者の8.2%(13人に1人)の人が「1割以上年収アップした」ということになります。
転職による年収アップは珍しいことじゃないってことだね!
転職による年収アップの相場
株式会社マイナビが2022年に実施した「転職動向調査2023年版(2022年実績)」では、転職後に前職よりも年収が50万円以上増えた人が39.5%となっています。
一般的に転職後の年収アップは5〜10%と言われていますが、「50万円」はひとつの目安としてもいいかもしれません。
転職で年収が上がりすぎるケース
外資系への転職
外資系はインセンティブの割合が多く実力主義なところが多いので、年収の上がり幅も大きいです。
同じ理由で、年功序列から実力主義に方針転換した国内企業への転職の場合でも、経験が評価されて年収が大幅に上がるというケースもあります。
前職の給与が低すぎた
株式会社ビズヒッツが2021年に実施した「35歳で転職した理由ランキング」調査において、転職で年収がアップした理由を問う質問に対して、
1位「スキル、経験、能力が評価された」47.5%
2位「収入アップできる求人に絞った」17.5%
3位「前職の給料が安すぎた」15.0%
という結果が出ています。
「前の給与が低すぎた」と回答した人が15.0%もいることから、人によっては前職との年収差が100万円以上になることもあるでしょう。
業界を変えた
業界によって期待できる年収が全く違うことは有名な話です。
中小企業庁が2021年6月に公表した「中小小売業・サービス業の生産性分析」では、労働生産性(1人あたりの生産性)が
製造業:525万円
宿泊業:442万円
小売業:381万円
飲食業:233万円
と、製造業と飲食業では倍以上の開きがある結果となっています。
同分析では、労働生産性が高い企業は労働者1人あたりの営業利益も高いことが分かっており、業界の生産性が年収に影響が出ることは明らかです。
例えば同じ営業職でも、業界を変えれば年収が大幅に上がることも十分考えられます。
職種を変えた
マイナビ転職が公表している「2023年版 モデル年収平均ランキング」によると、
1位「コンサルタント(経営戦路)」1,358万円
2位「システムアナリスト」1,223万円
3位「営業マネジャー・営業管理職」1,031万円
4位「不動産営業」1,013万円
5位「システムコンサルタント(業務系)」987万円
コンサルタントやITエンジニアが上位となっているね!
あくまで求人票のモデル年収の平均です。モデル年収は成續トップの人を掲載しているケースが少なくないので、かなり高めになっています。
転職エージェントを利用した
転職エージェントを利用すると年収アップしやすくなります。
転職エージェントの報酬は「想定年収の30%」と言われています。
転職者の年収が上がれば上がるほど、自分たちの報酬も上がる仕組みなので、年収交渉を積極的に行うことも考えられます。
・登録時に審査がある
・30代の転職成功例多数
・プラチナスカウトで特別なオファーがくる
年収が上がる人の特徴
自己分析ができている
株式会社ビズヒッツが2022年に実施した「自己分析のやり方」についてアンケート調査では、71.4%の人が転職活動の際に「自己分析した」と回答しており、自己分析のやり方については下記のような結果が出ています。
1位「WEB診断テスト」20.5%
2位「他者からの評価」18.6%
3位「キャリア・スキルの棚卸し」12.6%
自己分析はあなたに合った転職先を見つける上でとても重要なことなので、あなたに合ったやり方で自己分析しましょう。
業界分析ができている
前述した通り、業界によって年収は大幅に変わります。
職種はあなたに合ったもの、業界は伸びている又はこれから伸びるものを選びましょう。
「年収アップ」の優先順位が高い
転職活動する際はあなたの転職の軸(条件の優先順位)を決めると思います。
年収アップ
スキルアップ
ワークライフバランス
やりがい
企業理念への共感
など転職の軸は様々ですし、優先順位も人によって違います。
「年収アップ」すれば、他の条件は捨ててもいいくらいの気持ちで転職活動している人は、それだけ年収が上がる可能性は高くなります。
転職で年収が上がりすぎて怖いときに確認するポイント
現場の声
転職先の現場の声が内定承諾前に聞けるなら必ずそうしましょう。
採用担当者や役員、社長は実務をしている現場の人たちと認識のずれがあることが多々あります。
面接時に「現場の方と話す機会をいただけないでしょうか」と依頼してみよう!
口コミサイト
OpenWorkや転職会議等の口コミを確認しましょう。
中小企業だとロコミが少ない場合が多いですが、ある程度の規模の会社になると多くのロコミが書かれているため参考になります。
基本給と手当ての割合
手当てがもりもりで基本給が少ない会社は怪しいです。
基本給が低いと、基本給を基準に支払われる残業代やボーナス、退職金が低くなる可能性が高いです。
また、基本給を下げることはなかなか難しいですが、会社規則を変えて手当てを減らすことは簡単なので、そこも考慮して基本給を下げていることが考えられます。
賞与(ボーナス)支給額と割合
決算賞与など業績によるボーナスアップで、一時的に年収(前年実績)が高くなっている場合もあります。
ボーナスは業界や企業の方針によって大きく差が出やすいため、しっかり確認するようにしましょう。
みなし残業
みなし残業(残業してもしなくても一定の残業代が支払われる制度)が何十時間もある会社は注意が必要です。
それだけ残業が当たり前の社風という見方ができます。
いくら時間内に仕事を終わらせても、みなし残業分は残業しないといけないような雰囲気の中でワークライフバランスを改善することは難しいでしょう。
有給休暇の消化実續・産休育休の取得実績
有給休暇や産休育休、その他福利厚生の制度があっても実績がなければ意味がありません。
実際に取得できる環境になっているかが重要なので、制度があるかどうかではなく、実績があるかどうかを確認しましょう。
まとめ
転職により年収アップする人の割合、年収アップの相場を紹介しました。
転職によって年収が上がりすぎるケースとしては、
外資系への転職
前職の給与が低すぎた
業界を変えた
職種を変えた
転職エージェントを利用した
といった理由がありました。
年収が上がる人の特徴としては、
自己分析ができている
業界分析ができている
「年収アップ」の優先順位が高い
という3つを紹介しました。
あなたの経験やスキルをしっかりと評価して、年収に反映してくれる会社を探そう!!
転職で年収が上がりすぎて怖いに関するよくある質問
転職で年収が上がる人は全体の何%?
約4割の人が転職で年収アップします。
(厚生労働省が実施した「令和3年雇用動向調査」、株式会社ビズヒッツが2021年に実施した「35歳で転職した理由ランキング」調査データより)
年収が上がる人の特徴は?
自己分析,業界分析ができているなどがあります。特に業界選定によって年収は大幅に変わるので、サボらないで分析ができている人は年収が上がります。
転職で年収が上がりすぎて怖いときに確認するポイント?
「基本給と手当ての割合」や「みなし残業」など確認することはありますが、特に重要なのは現場の声を聞くことです。人事担当者や役員、社長は実務をしている現場の人たちと認識のずれがあることが多々あります。